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雨漏り修理の基礎知識
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雨漏りしやすい間取りとは?設計段階で気をつけるべきポイント

注文住宅やリノベーションで家を建てる際、間取りにこだわる方は多いでしょう。しかし、間取りによっては「雨漏りしやすい家」になってしまうことがあるのをご存知でしょうか。実は、建物の形状や屋根の構造、バルコニーの配置など、設計段階での判断ミスが雨漏りリスクを高める要因になります。

この記事では、雨漏りが発生しやすい間取りの特徴と、設計段階で注意すべきポイントを詳しく解説します。これから家づくりを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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なぜ間取りで雨漏りが起こるのか?

雨漏りと聞くと、多くの人は屋根材の破損や経年劣化を思い浮かべるかもしれません。しかし、実際には「家の間取り=設計段階の形状や構造」が原因で雨漏りリスクが高まっているケースも非常に多く存在します。間取りは、単なる生活動線や空間設計だけでなく、「建物の構造的な弱点」や「雨水の流れ方」にも深く関係しており、設計次第では将来的に深刻な雨漏り被害につながる可能性があるのです。

特に近年は、個性的なデザインや開放感を重視した住宅が人気を集めており、コの字型やL字型、吹き抜けのある間取り、ルーフバルコニー付きの住宅などが増加しています。これらの間取りは見た目や使い勝手の面では魅力的ですが、構造的には「雨水が滞留しやすい」「水が抜けにくい」「施工が複雑になる」といったリスクをはらんでいます。

間取りによって雨漏りが起こる主な理由

建物形状が複雑でつなぎ目が多い

住宅の外形や屋根形状が複雑になるほど、部材の接合部や継ぎ目が増えます。これらのつなぎ目は、雨仕舞(あまじまい)=雨水の排出を意識した防水処理が特に重要なポイントになります。たとえば、屋根と壁の取り合い部分、谷部、窓周り、バルコニーの立ち上がりなど、細部の設計や施工精度が甘ければ、そこから雨水がじわじわと侵入してしまいます。

屋根や外壁の勾配が不十分

屋根やバルコニーの勾配(傾き)は、雨水を速やかに排出するために非常に重要です。しかし、デザイン重視でフラットに近い形状や、緩やかすぎる勾配を採用してしまうと、雨水が流れずに一部に滞留してしまいます。滞留した水はやがて建材に浸透し、防水層の劣化や隙間からの漏水を引き起こす原因になります。

雨水が集まりやすい構造

コの字型やL字型の建物は、それぞれの「くぼみ」部分に雨水が集中しやすい構造になります。また、複雑な屋根形状(寄棟・切妻・片流れの組み合わせなど)は、複数の面から雨水が一箇所に集まる「谷部」を作ることになり、そこが雨漏りのリスクポイントになります。谷部には適切な水路(谷樋)が必要ですが、葉やゴミが詰まりやすく、放置するとオーバーフローして建物内に浸水することもあります。

防水処理が不完全になりやすい設計

バルコニーや出窓、屋根裏の換気口など、外部に面する構造物には、防水層やシーリング処理が必要不可欠です。しかし、間取りが複雑になると、これらの防水設計が後回しになりやすく、現場での対応に任されてしまうケースも少なくありません。現場任せの防水処理では、経験不足や作業ミスによる不具合が起きやすく、引き渡し後すぐに雨漏りが発生するリスクもあります。

設計と施工の連携不足

設計図で理想的な間取りやデザインが描かれていても、それを正確に施工するには高い技術力と現場での意思疎通が必要です。特に雨漏りを防ぐためには、防水層の厚み、納まりの形状、材料の相性など、細部まで一貫した設計・施工が求められます。ところが、設計者と施工業者の連携が不十分だと、「図面通りに施工されていない」「材料が変更されている」「防水仕様が共有されていない」といった問題が発生しやすくなります。

設計段階から「水の流れ」を意識することの重要性

雨漏りを防ぐためには、家を建てる際に「見た目の美しさ」や「動線の効率性」だけでなく、「雨水がどこから入って、どこへ流れるのか」という視点も非常に重要です。これは一般の方にとっては想像しづらい部分かもしれませんが、プロの設計士や雨仕舞に詳しい施工業者であれば、構造上のリスクを見抜き、適切な対策を講じることができます。

家の寿命を延ばし、住まいの快適性を保つには、設計段階から防水対策に配慮することが不可欠です。「雨漏りのしにくい間取り」とは、単なる生活空間のデザインではなく、「建物を守るための合理的な構造」と言えるでしょう。

雨漏りしやすい間取りの共通点

どれほど高品質な建材や施工技術を用いても、間取りや設計段階で「雨水の動き」や「防水対策」を十分に考慮していない場合、雨漏りのリスクは避けられません。特に以下に挙げるような特徴を持つ住宅は、構造的に雨水が侵入しやすく、設計の段階から注意が必要です。

ここでは、実際に雨漏りのトラブルが多く報告されている代表的な間取りのパターンを解説します。

複雑な屋根形状(切妻・寄棟・谷部が多い)

屋根は雨水を受け止め、効率よく排水する重要な構造ですが、その形状が複雑になればなるほどリスクも高まります。特に注意すべきなのが「谷部(たにぶ)」と呼ばれる、屋根と屋根が交差して凹みを作る部分です。

谷部には複数方向から雨水が集まりやすく、通常よりも多くの水圧がかかるため、ほんのわずかな施工ミスや劣化でも雨水が内部に侵入してしまう危険があります。谷部の防水処理には「谷樋(たにどい)」という金属製の水路が設置されますが、ここに落ち葉やゴミが溜まって排水が妨げられると、あっという間に雨漏りが発生します。

特に、寄棟(よせむね)屋根や、切妻(きりづま)屋根同士を組み合わせたデザイン性の高い住宅では、谷部の数が多くなる傾向があり、それだけ防水処理やメンテナンスの難易度も上がるのです。

対策のポイント

  • 谷部の数を減らしたシンプルな屋根形状を検討する
  • 谷樋は定期的に清掃・点検を行う
  • 高品質な防水材を使用し、重ね幅・勾配にも注意

バルコニー・ルーフバルコニー

バルコニーは雨水に常時さらされる構造でありながら、構造上「外に張り出している」「床面がフラットで排水が難しい」といった雨漏りリスクを多く含んでいます。特に、バルコニーの防水層にヒビ割れがある、排水口が詰まっている、水が流れる勾配が不足しているといった状態では、床に水が滞留しやすくなり、建物内部へ浸水する可能性が高まります。

さらに、屋根の一部として設計される「ルーフバルコニー」は、バルコニーの下に部屋がある構造です。このタイプでは、わずかな防水の不備があった場合でも、その下の居室に直接雨漏り被害が及びやすく、補修も大がかりになることが多いです。

対策のポイント

  • 勾配と排水経路を明確に設計する
  • 防水層にはウレタンやFRPなど耐久性の高い材を採用する
  • 定期的に防水点検を行い、再塗装や補修を怠らない

吹き抜けのある間取り

吹き抜けは空間に開放感を与え、採光にも優れた人気の設計ですが、構造が複雑になるため雨漏りのリスクが潜んでいます。吹き抜けの上部には勾配屋根が配置されることが多く、この屋根部分が通常の屋根以上に高所にあるため、施工の難易度が上がり、雨仕舞のミスが生じやすくなるのです。

また、吹き抜けは高所のため、雨漏りが発生しても気づきにくく、発見が遅れがちです。その結果、建材への浸水やカビの発生、構造材の腐食といった深刻な被害につながることもあります。

対策のポイント

  • 吹き抜け屋根部分の防水処理を厳重に行う
  • 点検口やメンテナンス用の足場スペースを確保する
  • 雨漏りセンサーの設置も検討する

コの字型・L字型の建物

コの字型やL字型といった外形が複雑な住宅は、その「くぼみ」部分に雨水が集中しやすい構造になっています。このような形状では、雨水の流れが途中で滞留したり、複数方向から水が集まって排水に負荷がかかったりと、排水設計に細心の注意が必要です。

また、外壁の接合部が増えるためシーリング(目地)箇所も多くなり、その分、経年劣化や施工不良のリスクが高まります。L字型の屋根の「内角」部分は、まさに雨水が溜まりやすく、雨漏り被害が起こりやすい代表的な箇所です。

対策のポイント

  • 建物の外形は可能な限り単純な形にする
  • 雨水の流れを妨げないよう、勾配と排水の計画を徹底する
  • シーリング材は高耐久性のものを使用し、定期的に打ち替えを行う

出窓や天窓(トップライト)

出窓や天窓(トップライト)は、室内に自然光を取り込むための魅力的な設備ですが、防水設計が非常に難しい箇所でもあります。特に天窓は、屋根面に開口を設けて設置されるため、雨が直接当たる構造です。

施工時にシーリング材や防水シートの処理が不十分だった場合、雨水が窓枠を伝って室内に侵入しやすく、強風時には吹き込みによる雨漏りも発生します。さらに、紫外線や温度変化の影響でパッキン材が劣化すると、長年の使用で知らないうちに漏水が進行していたというケースも少なくありません。

対策のポイント

  • 信頼性の高いメーカー製品を選び、施工は経験豊富な業者に依頼する
  • シーリングやパッキンの状態を定期的に点検・交換する
  • 天窓には「雨センサー付き自動開閉機能」などの安全機能を導入する

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雨漏りリスクを減らすための設計ポイント

ポイント

住宅における雨漏りは、完成後に発覚するケースが多く、補修には大きな費用や手間がかかります。こうしたトラブルを未然に防ぐためには、設計段階で雨仕舞や排水設計を意識し、雨水の流れに逆らわない構造にすることが非常に重要です。

ここでは、雨漏りリスクを大きく減らすために押さえておくべき設計上のポイントを詳しくご紹介します。

屋根形状はできるだけシンプルに

住宅の外観デザインを重視するあまり、屋根形状を複雑にしすぎると、雨漏りリスクが大幅に高まります。屋根が入り組んでいると、雨水が集まる谷部やつなぎ目が増え、防水処理が難しくなるためです。

シンプルな形状としては、以下のような屋根が推奨されます。

  • 片流れ屋根:一方向に水が流れるシンプル構造で、雨水の排水性が非常に良い
  • 切妻屋根:左右対称の勾配がある伝統的な屋根で、構造が安定しており、施工性にも優れる

このような単純な屋根形状は、施工の精度も上がり、雨仕舞のミスが減るというメリットがあります。見た目のデザイン性よりも、長期的に住まいを守る機能性を優先する設計が求められます。

勾配を十分に確保する

雨水は重力によって自然に流れていくものです。そのため、屋根やバルコニーには「水を流すための勾配」が不可欠です。設計の初期段階でこの勾配が不十分なまま進行してしまうと、完成後に水が溜まりやすい構造となり、そこから浸水・雨漏りが発生する恐れがあります。

以下の点に注意して設計を行いましょう。

  • 屋根の勾配:最低でも2寸(約11.3度)以上の勾配が望ましく、使用する屋根材によっても適切な勾配が異なるため、材質ごとの仕様書を確認することが重要です。
  • バルコニーの勾配:一般的に1/100~1/50(1~2%程度)の傾斜が必要。わずかな傾斜でも、適切に排水方向が設定されていれば効果を発揮します。
  • 排水口の配置:勾配を設けても、排水口が適切な場所にないと水が滞留します。水の「行き先」を設計図面上で明確にし、必要に応じて複数設ける工夫を。

構造が完成してからでは勾配の調整は難しいため、設計段階での綿密な計算と配慮が必要です。

防水処理の詳細設計を明確に

雨漏りの多くは、防水処理の不備や施工ミスによって起こります。そのため、防水処理の設計は「現場任せ」にせず、設計図面上で納まりや使用部材、施工手順まで明記しておく必要があります。

設計者と施工業者の間で情報共有が不十分なままだと、現場判断での作業となり、結果的に雨仕舞が甘くなってしまうリスクが高まります。特に以下の点を明確に設計書に反映させましょう。

  • 使用する防水材の種類と仕様(例:FRP防水、アスファルト防水、ウレタン防水など)
  • 防水層の重ね幅、立ち上がり高さ(規定寸法以上で施工されているか)
  • シーリング材の種類と施工箇所
  • 水の流れを阻害しない納まり図

詳細な設計があることで、施工精度が向上し、万が一の不具合発生時にも迅速な原因特定と修繕が可能になります。

バルコニー・ルーフバルコニーには十分な排水口を設ける

バルコニーやルーフバルコニーは、構造上「水が溜まりやすい場所」です。防水層を施工していても、排水が滞れば雨水が滞留し、次第に劣化・雨漏りを引き起こします。

特に注意すべきポイントは以下の通りです。

  • 排水口の数と位置:広いバルコニーには1つだけでなく、複数の排水口を設けて水の流れを分散させることが大切です。
  • 内勾配・外勾配の設計:水が確実に排水口へ向かって流れるよう、床面の傾斜を計画的に設ける必要があります。
  • 排水口と防水層の取り合い:この部分に隙間があると、わずかな隙間から水が侵入し、雨漏りの原因になります。構造的に弱点となりやすいため、納まり図で厳密に設計・施工すべき箇所です。
  • ドレンまわりの清掃・点検のしやすさ:将来的にメンテナンスが容易にできるよう、点検口や清掃用スペースの確保も忘れずに設計しておくとよいでしょう。

また、排水口の詰まりによるオーバーフローを防ぐため、雨水が排水口を通過する前にゴミを遮るストレーナー(ごみ取り網)なども有効です。

建材・構造の選び方でも雨漏りを防げる

雨漏り対策というと「屋根の形状」や「防水処理の仕方」ばかりに注目しがちですが、実は使う建材の選び方ひとつでも、雨漏りの発生リスクを大きく減らすことができます。建材や構造材は、日々の雨風や紫外線に晒される中で劣化していくため、最初から「耐久性」や「防水性」に優れたものを選ぶことが、将来的な雨漏りトラブルを防ぐうえで非常に重要です。

この章では、雨漏りを未然に防ぐための建材選びと構造の工夫について、押さえておきたいポイントを詳しくご紹介します。

耐候性の高い外装材を選ぶ

建物の屋根や外壁は、外部環境に直接さらされる最前線の部材です。この部分に耐候性の低い素材を使用してしまうと、紫外線や風雨の影響ですぐに劣化が進み、クラック(ひび割れ)や剥がれが発生し、そこから雨水が侵入する可能性が高くなります。

特にチェックしておきたいポイントは次のとおりです。

屋根材

スレート屋根やトタン屋根はコスト面では魅力的ですが、耐用年数が短く、経年劣化による割れやサビが発生しやすい傾向があります。代わりに、ガルバリウム鋼板や陶器瓦、金属屋根(ジンカリウム鋼板など)といった高耐久素材を選ぶことで、長期間の安心につながります。

外壁材

サイディングボードには窯業系、金属系、樹脂系などがありますが、雨漏りに強いのはシーリング部が少なく、目地処理のいらない「一体型の外壁材」や「目地が少ない大型パネル」など。定期的なメンテナンスの手間も軽減できます。

仕上げ塗料

屋根・外壁ともに、仕上げの塗装の耐候性も重要です。フッ素系や無機系塗料は価格が高めですが、耐用年数が長く、紫外線や雨風への耐性に優れています。

長く住む住宅ほど、「初期コスト」よりも「長期的なメンテナンス性」を重視した素材選びが雨漏り防止に直結します。

シーリング材の品質と施工精度

外壁と外壁のつなぎ目、窓周りや開口部まわりなど、雨水が侵入しやすい「隙間」には、シーリング材(コーキング材)が充填されます。このシーリングは建物における“防水の最終バリア”とも言える重要な要素です。

以下のような点に注意して、シーリング材の選定と施工を行う必要があります。

材料のグレード

シーリング材にはウレタン系、シリコン系、変成シリコン系、ポリウレタン系などの種類があります。外壁には耐候性が高くて硬化後も柔軟性を維持できる「変成シリコン系」や「高耐久型シーリング材」がおすすめです。

寿命とメンテナンス性

一般的なシーリング材は10年程度でひび割れや剥離が発生しやすくなります。長寿命のもの(20年保証など)を選ぶことで、雨漏り発生のリスクを減らせます。

施工の精度

シーリングはただ打てばいいというものではなく、下地の処理(プライマー塗布)、施工時の温度・湿度管理、適正な厚み(最低10mm以上)などが守られてはじめて、効果を発揮します。

つまり、どれだけ良い材料を使っても、施工精度が低ければ雨漏りは防げません。信頼できる業者に依頼し、設計図通りの適切な打設が行われているかどうかも確認が必要です。

屋根・バルコニーの防水層は信頼性重視

バルコニーや陸屋根、屋上など、雨水が直接たまる水平面には「防水層」が必要です。この防水層が劣化したり、ひび割れたりすると、そこから一気に雨水が侵入し、下階の天井や壁に雨漏りを引き起こします。

防水層にはいくつかの工法がありますが、それぞれに特徴と適性があります。

FRP防水(繊維強化プラスチック)

軽量で強度があり、施工も比較的短期間で済むため、戸建住宅のバルコニーでよく使用されます。耐用年数は約10〜15年。硬化後は非常に硬く、割れが生じると漏水の原因になりやすいため、定期点検が重要です。

ウレタン防水

液体状の材料を塗布して固める工法で、複雑な形状にも対応しやすく、メンテナンスも比較的容易です。ただし、職人の施工技術に大きく左右されるため、信頼できる施工者を選ぶ必要があります。

シート防水(塩ビシートなど)

広い面積に適しており、施工の均一性が高いのが特徴です。施工精度によって耐用年数も大きく変わるため、屋上や大型のルーフバルコニーでの採用に向いています。

どの防水工法を採用するにしても、「下地との密着性」「継ぎ目の処理」「立ち上がり部分の施工」など、防水層のディテールにこそ雨漏りを防ぐ要点があります。設計段階からどの工法を採用するかを明確にし、過去に同様の実績がある施工業者に依頼することが不可欠です。

雨漏りリスクの高い部分の定期点検も重要

どれだけ設計段階で雨漏りに配慮していても、建物は時間の経過とともに必ず劣化していきます。雨風や紫外線、温度変化の影響で、防水層やシーリング材、外壁材、屋根材などが徐々に傷み、当初の性能を維持できなくなるのは避けられません。

そこで重要になるのが「定期点検」です。特に雨漏りリスクの高い箇所は、外からは見えにくく、トラブルが顕在化する頃にはすでに構造体の腐食や断熱材の劣化が進行していることもあります。日常的なセルフチェックと、専門業者による定期的なメンテナンスを行うことで、大きな損害を未然に防ぐことが可能です。

ここでは、雨漏りを未然に防ぐためにチェックすべき代表的なポイントをご紹介します。

屋根の棟部分や谷部

屋根の中でも特に雨漏りが多く発生するのが、「棟(むね)」と「谷(たに)」の部分です。棟は屋根の頂点で、屋根面同士が交わるラインであり、雨風にさらされやすい箇所です。谷部は屋根が合流するV字の部分で、雨水が集中するため防水処理が最も重要となります。

チェックポイント

  • 棟板金の浮きや釘抜けがないか
  • 谷板金にサビや腐食がないか
  • 落ち葉やゴミの詰まりがないか
  • 屋根材のズレや割れ

棟や谷は屋根の中でも特に施工精度が問われる場所なので、異変があれば早期に補修を行うことが必要です。

バルコニーやベランダの排水口

バルコニーは雨水が直接溜まる構造のため、排水口の詰まりや勾配の異常があると、すぐに防水層の劣化につながり雨漏りの原因になります。

チェックポイント

  • 排水口がゴミや落ち葉で塞がれていないか
  • 床面の防水層にひび割れや膨れがないか
  • 立ち上がり部分(壁との境界)に隙間がないか
  • 雨水がスムーズに流れているか(水たまりが残っていないか)

排水口は半年に1回程度、掃除と目視点検を習慣化するだけで、雨漏りリスクを大幅に減らすことができます。

外壁のシーリング

外壁の継ぎ目(目地)やサッシ周りにはシーリング材(コーキング)が充填されていますが、この部分が硬化・ひび割れ・剥離すると、そこから水が侵入して雨漏りや壁内部の腐食を招きます。

チェックポイント

  • シーリングにひび割れや痩せ(肉やせ)がある
  • 接着面が剥がれて隙間ができている
  • 劣化して粉を吹いたようになっている

シーリングの寿命は一般的に10年前後。築10年以上経過している住宅は、専門業者による打ち替えや打ち増しの検討が必要です。

天窓・出窓のまわり

天窓(トップライト)は意匠的に人気ですが、屋根面に設置されるため、最も雨漏りが起きやすい構造のひとつです。出窓も外壁から突き出した構造のため、雨水が当たりやすく、雨仕舞に不備があると雨漏りリスクが高まります。

チェックポイント

  • サッシの周りに雨染みができていないか
  • パッキンやシーリング材が劣化していないか
  • 開閉部分から水がしみ出していないか
  • 室内側の木部やクロスに膨れやカビがないか

特に天窓まわりは、10年に1度程度の「防水周辺部のメンテナンス」が推奨されます。

室内天井のシミや膨らみ

室内で最もわかりやすい雨漏りのサインが「天井のシミ」や「壁紙の膨らみ」です。これらはすでに雨水が建物内部に侵入している証拠であり、放置すれば木材の腐食やカビの繁殖に直結します。

チェックポイント

  • 天井にシミが広がっていないか
  • クロスが浮いていたり、変色していないか
  • カビ臭さを感じることがないか
  • 雨が降った直後に天井に変化がないか

軽度のシミでも、雨が降るたびに広がる場合は要注意。見た目以上に内部が腐食していることが多く、早急な調査・対応が必要です。

定期点検の頻度と依頼先の目安

セルフチェックの頻度としては、年に1〜2回(特に梅雨前と台風シーズン前後)が理想です。それに加え、築10年を過ぎたら専門業者による点検を3〜5年ごとに依頼するのが望ましいとされています。

依頼先の選び方

  • 雨漏り調査の実績が豊富な専門業者
  • 赤外線カメラや散水試験などで原因を正確に特定できる業者
  • 調査後の修理や保証体制まで一貫して対応してくれる会社

特に「雨漏り修理専門」の業者は、建築全体を熟知しており、間取りや構造上の弱点も踏まえた上で対策を提案してくれます。

雨漏り対策は設計士・工務店選びから

ポイント

雨漏りのリスクを根本から抑えるためには、どれだけ設計段階での工夫を凝らしても、それを実際に形にする設計士・施工業者の技術と知識が不可欠です。現場での施工精度が低かったり、雨仕舞(あまじまい)についての理解が乏しい業者に依頼してしまうと、たとえ設計図が優れていても、完成後に雨漏りが発生してしまう可能性が高まります。

実際、雨漏りの原因として多いのが「施工不良」です。たとえば、防水層の立ち上がりが足りなかったり、シーリングの打ち方にムラがあったりといった、小さな施工ミスが数年後に深刻なトラブルを引き起こすケースは少なくありません。そのため、設計士や工務店の選定は、家づくりにおいて最も重要なステップのひとつと言えます。

以下のような特徴を持つ業者を選ぶことで、雨漏りリスクを大きく下げることができます。

雨仕舞に関する知識がある

雨仕舞とは、雨水が建物内部に侵入しないように処理する技術・設計のことです。これは単なる防水とは異なり、雨水の「流れ」や「たまりやすい場所」を把握し、それを建物の形状や構造に反映させる技術が求められます。

雨仕舞に熟練した設計士や施工業者は、屋根の形状や勾配、バルコニーの納まり、防水層の端部の処理など、細部まで配慮して設計・施工を行います。

防水施工の実績が豊富

防水施工は、住宅の中でも特に高い技術力が求められる分野です。FRP防水やウレタン防水、シート防水など、施工方法によって工法も異なるため、実績が豊富で、適切な工法を選択・実行できる業者を選ぶことが大切です。

また、過去の施工事例を見せてもらったり、口コミ・評判を確認したりすることで、信頼度を確認することができます。

メンテナンス体制が整っている

雨漏りは、完成後数年経ってから発生することも少なくありません。そのため、施工が完了した後も継続的に点検・対応が可能な業者を選ぶことが重要です。

定期点検の案内があるか、保証期間が明確か、万が一の際の連絡対応が迅速か、といった「アフター体制の質」も業者選びの大きなポイントです。

アフターサービスが明確

工務店や設計事務所の中には、施工後のトラブル対応が不十分なところもあります。必ず「雨漏りに関する保証内容」「保証期間」「点検頻度」などを事前に確認しましょう。

アフターサービスの範囲が契約書や保証書に明記されているかどうかは、信頼できる業者かどうかを判断する目安になります。

見た目や価格だけで選ばない

住宅の設計・施工を依頼する際、「おしゃれなデザインだから」「価格が安いから」といった理由だけで業者を決めてしまう方も少なくありません。しかし、見た目が良くても、長期的に住み続けるうえで「構造的な安心感」や「防水性能」が欠けていれば、後悔することになりかねません。

家は一生に一度の大きな買い物です。見えない部分の施工品質や、長年にわたり雨や風に耐えうる技術力を持った業者かどうか、慎重に見極めることが重要です。

雨漏りを防ぐ住まいづくりは「雨漏り修理の達人」にご相談を

これから家を建てる方、リフォームを検討している方にとって、「雨漏りしにくい設計」は非常に重要なテーマです。雨漏りは一度起きると、構造材の腐食やカビの発生など、大きな被害につながる恐れがあります。

「雨漏り修理の達人」では、過去に多数の雨漏り事例を解決してきた専門業者が、間取りや設計段階からのアドバイスにも対応しています。事前の相談はもちろん、雨漏りの調査・修理についても豊富な経験を持つプロが対応します。

「どんな間取りなら安心?」「雨漏り対策を強化したい」など、不安な点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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