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大阪で多く残る「文化住宅」雨漏りの心配はある?

大阪の文化住宅のイメージ

文化住宅って聞いたことがありますか?大阪をはじめ近畿地方の方なら一度は目や耳にしたことがある方が多いかもしれません。文化住宅というとモダンでレトロな2階建の住宅のイメージを持つ人と、古い集合住宅のイメージを持つ人にわかれます。実は大阪がある近畿と関東では、文化住宅の見た目や雰囲気が違います。ただ、いずれも昔に建てられた住宅なので多くは老朽化が進みその数は少なくなりましたが、現存する文化住宅では雨漏り被害も多くあります。

今回のコラムでは、大阪になぜ文化住宅が多くあるのかということとその特徴、雨漏りしやすい場所とその対処方法についてご紹介します。

大阪など近畿にはなぜ文化住宅が多いのか?

古い文化住宅の外観

冒頭でもお伝えした通り、文化住宅には2つのイメージがあるのですが、なぜその違いが生まれたのかは大阪がある近畿地方と東京がある関東の歴史にあります。まずはその歴史を簡単にご紹介したいと思います。

大阪や近畿の文化住宅の歴史

文化住宅は近畿では大阪に多くあり、その理由は戦後の高度経済成長期までさかのぼります。この頃は爆発的に経済成長規模が大きくなり、インフラ整備や製造業が発展し労働者や技術者が増加しました。そして、大阪にもその労働者が多く雇用されその住宅不足に対応するために、2階建ての集合住宅が大阪市内の中心部からその周辺に至るまで数多く建設され、それを世間ではその住宅を「文化住宅」と呼ぶようになりました。
なぜ、「文化」住宅となったのかその起源ははっきりしていませんが、一説によるとこれまでの集合住宅や長屋は、共用のトイレやキッチンでしたが文化住宅ではこの設備を各家に設けたことから、以前の集合住宅より文化的な暮らしができる、といった理由から「文化住宅」と言うようになった、とされています。
ただ、時代が流れ老朽化が進み始めたころ、1995年の阪神・淡路大震災によって多くの建物や文化住宅が倒壊し、その数は少なくなってしまいました。

関東にある文化住宅の歴史

一方、関東では文化住宅と言うとレトロでモダンな洋風建築といったイメージがあります。
その歴史は、明治時代に西洋建築が増え、富裕層や政治家が西洋館を住居の一部として利用するようになりましたが、一般家庭は従来の和風建築の家が大半でした。その後、大正デモクラシーによって自由な風潮となり、和風な住まいから洋風な住まいに対するあこがれから一般的な家庭でも洋風な要素を取り入れ始めました。また平和記念東京博覧会が東京で開催され多彩、その中に文化村という14棟のモダンな建物が建築され、その影響から文化住宅と言う言葉が浸透することになります。そして、時代が昭和に移り変わるころ和風の住宅に洋風の要素を取り入れた住宅が増え、それを「文化住宅」と呼ぶようになりました。

大阪の文化住宅の特徴

文化住宅の雨漏りについてのイメージ

このように大阪の文化住宅と関東の文化住宅は見た目や家の構造が違いますが、今回は大阪の文化住宅の特徴を詳しくご紹介します。

大阪の文化住宅の構造

大阪や近畿地方の文化住宅の多くは、瓦屋根の木造モルタル2階建ての建物です。室内は畳敷きの和室、キッチンと和式トイレが各家にありますがお風呂はなく、キッチン+トイレ+二部屋の2Kの間取りが一般的になっています。お風呂がない理由については、その当時給湯設備が高額だったのと近隣には必ず銭湯がありましたので、それほど不便はなかったようです。
なお、文化住宅には1・2階が繋がっているメゾネットタイプで連棟になっているものと、長屋状に各階に家が並んだアパートタイプがあります。

大阪の文化住宅のメリット

文化住宅は、大家さんが所有している物件なので基本的に賃貸です。古い物件なのとお風呂がありませんので、家賃や共益費はお安めです。同じ面積のマンションと比較すると安く借りられ、お風呂がないため光熱費の節約にもなります。また、古くから住んでいる方が周りに多いことから、コミュニケーションが活発で人とのつながりができるといった点は魅力の一つです。

大阪の文化住宅のデメリット

先ほどもお伝えした通り、大家さんがいる賃貸物件となりますので、リフォームされていない限り古くて老朽化が進んでいます。もし住むことになれば、至る所で修理が必要になってくる場合もあります。特に外壁や屋根は劣化が進んでいる可能性がありますので、最悪の場合は雨漏りしてくることも考えられます。その場合、自分で負担する場合や大家さんに負担してもらうといったケースも出てきます。

文化住宅で雨漏りする原因と対処方法

天井からの雨漏りのイメージ

現存する文化住宅は古く築年数が経過していることから、雨漏りする可能性が高いと言えます。
雨漏りする可能性がある箇所については以下の通りです。

瓦屋根からの雨漏り

瓦は丈夫で高寿命で耐用年数は50~60年と言われています。ただ、1955年~1973年高度経済成長期に建てられた文化住宅はおおよそ50~68年経過しています。もしその間葺き替え工事を行っていない場合は既に寿命を迎えています。また、瓦のズレや補修、屋根材の下にある防水シートや野地板のメンテナンスを怠っていた場合は、既に雨漏りが進行している可能性があります。また、木造ですので建物内部に雨水が浸入している場合は、木にカビが発生していたり腐食していることもあります。
もし、室内の壁や床、天井のシミがある場合は雨漏りを疑ったほうがよいでしょう。

モルタル外壁からの雨漏り

文化住宅の外壁多くはモルタルです。モルタルの耐用年数は定期的に外壁塗装でメンテナンスを行っていたとしても約30年と言われています。
モルタル外壁の劣化症状は、ひび割れです。これは経年劣化によるものが大半ですが、地震などでもひび割れやズレが発生します。特に阪神・淡路大震災の発生があった大阪や関西ではひび割れが起こっている可能性は高いです。
雨漏りは屋根から発生するイメージをお持ちの方が多いですが、実は外壁の劣化から雨漏りを引き起こすことがあります。仮に、モルタル外壁にひび割れがあればその隙間から雨水が浸入して外壁の内側に侵入し雨漏りを引き起こします。
モルタル外壁についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

モルタル外壁とは?種類とメンテナンス、雨漏りを防ぐ方法

窓枠からの雨漏り

意外と知られていないのが窓枠やサッシからの雨漏りです。古い木造の文化住宅の窓枠は経年劣化により隙間ができていたり、防水機能がなくなっている可能性があります。大雨や暴風雨の際、その隙間から雨水が室内に入り込み、窓周りが濡れていたり窓の近くの壁にシミができてしまいます。
もしこのような状態なら、コーティングで隙間を防ぐなどといった補修を行いましょう。

雨漏りを発見した場合の対処方法

賃貸物件の雨漏りの場合、入居者の不注意や過失でしたら自己負担になりますが、基本的には大家さんもしくは管理会社に修繕の義務があります。もし雨漏りを発見したら放っておかずすぐに相談し対応してもらうようにしましょう。
こちらの記事に、賃貸で雨漏りした際の対処方法についてご紹介していますので、参考にしてみてください。

賃貸アパートの雨漏り修理費は誰が負担する?気になる対処方法や補償について解説

まとめ

文化住宅での雨漏りについてのまとめイメージ

数が少なくなってきた文化住宅ですが、大阪や近畿にはまだ多く存在しています。ご説明した通り古い物件ばかりですが、中にはリフォームやリノベーションされて綺麗になっているケースもあります。もし、大阪などで文化住宅に住んでみたい、住む予定だという方はメリットやデメリットを理解し、雨漏りの危険性がないか事前によく確認することをおすすめします。

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