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雨漏り修理の基礎知識
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ベランダ防水に最適!ウレタン防水塗装のメリットやデメリットについて

ベランダや屋上は、常に雨に晒されています。木造なら木材、RC造ならコンクリートが素地になるため、何もしなければ素地が傷み、建物はあっという間に雨漏りを起こして全体が傷んでしまうことでしょう。
それを防ぐために、こうした雨に晒される場所は「防水工事」という特別に雨や水から守り、漏水や雨漏りを防ぐ工事を行います。
防水工事は、工場やビル、住宅といった様々な場所に施工され、あらゆる建物を水から守る大切な工事なのです。
戸建て住宅ではベランダや平らな屋根である陸屋根に施工されています。

ウレタン防水について

この防水工事には、いくつか種類があり、施工する場所や目的によって工事の種類が異なります。
こちらではその中でも住宅のベランダや屋上に採用されることが多いウレタン防水についてご紹介します。
ウレタン防水の工事の種類やメリットデメリット、そしてウレタン防水はどんな場合に使用するのか、メンテナンス方法など詳しくご紹介いたします。

ウレタン防水とは?

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねることで層を作り、防水層を形成する防水工事です。
防水工事はアスファルト防水が歴史がもっとも古く、高度経済成長期にかけて新しい建材や建築方法などの建築の変化に伴って防水も様々な機能が求められるようになったことと、石油化学製品の登場によってウレタン防水を含む塗膜防水やシート防水が登場しました。
ウレタン防水は1966年(昭和41年)にはじめて登場。アスファルトを現場で溶かすアスファルト工法に変わる新しい工法として注目されました。
ウレタン樹脂の接着力の高さと経済性に優れている点、そして液状の材料を現場で固めて防水層にするという比較的簡易な工法が魅力であり、防水工事の中でももっとも広く使用されているポピュラーな工法です。
ウレタン防水材には1液型と2液型があります。多く使用されているのは2液タイプで、ポリイソシアネートを主成分とする主材と、ポリオールを主成分とする硬化剤を攪拌して塗布していきます。1液型は攪拌する必要がなく、そのため配合ミスや攪拌不良による施工不良の心配がありません。
塗布した材が硬化すると、表面がゴム状のシームレスな防水膜ができあがります。
ウレタンは紫外線に弱いため、この表面をトップコートで塗装して保護します。

ウレタン防水のメリット

継ぎ目のないシームレスな仕上がり

シームレスな仕上がり

塗料を塗って固めて防水層を形成するウレタン防水は、表面が弾性をもつ継ぎ目のないシームレスな仕上がりになります。
そのためシートの継ぎ目から雨水が入り込むといった心配はありません。

施工箇所を選ばない

液体状の防水材を塗布するため、下地を選ばすに施工できます。複雑な形状の場所でも対応が可能です。
施工の際には、下地の状態を整えておくことで、防水機能を発揮し、施工不良を防ぐことができます。

軽量である

ウレタン防水は、液体状のウレタンを3mm〜4mmの厚さに塗って防水層を作ります。
アスファルトを溶かして防水層にするアスファルト防水などと比べると軽量で、その分建物に負担をかけません。

コストが安価

ウレタン防水は他の防水工事に比べると比較的施工費用が安価なことも魅力です。
同じくベランダに施工されるFRP防水は1㎡あたり約4,000~8,000円にたいして、ウレタン防水は約3,000円~7,000円となっています。
またメンテナンスの際には、防水層が劣化していなかれば表面のトップコートを再塗装することでメンテナンスが可能です。

ウレタン防水のデメリット

仕上がりが職人の腕次第

ウレタン防水は、職人が手作業で塗っていくため、仕上がりは職人の腕に左右されます。
ウレタンの層を重ねるために重ね塗りを行いますが、これを均一に仕上げるためには熟練の技術が必要です。
もしも表面が平らではなかったら、水たまりができてしまったり、うまく排水できないなどの不具合が生じる可能性があります。

乾燥に時間がかかる

塗装したウレタン樹脂が乾燥することで強固な防水層を形成します。
このウレタン防水材が乾燥して硬化するのに各メーカーが定めた時間は、田島ルーフィングのオルタックエースでは12時間、AGCポリマー建材のサラセーヌでは24時間となっています。
この時間は天候や日当たりなどによって大きく左右されますが、プライマー、ウレタン防水材、トップコートの全行程でおよそ4~5日ほどかかります。
FRP防水の場合は約1~2日程度なので、比較すると時間のかかる工法といえます。

ウレタン防水の工事の種類

ウレタン防水には、「密着工法」と「通気緩衝工法」の2種類があります。下地の劣化状態によって最適な工法が選択されます。

密着工法

密着工法

密着工法は、下地にウレタンを直接塗っていく工法です。
下地に直接塗布するため、下地に水分を含んでいる場合には、水蒸気によって防水層にふくれが発生したり、地震などの揺れが起こった際に下地の動きに追従できずに破断する可能性があります。そのため下地に水分を含まない建物や新築に施工されます。
ウレタン防水の中でももっともシンプルで施工費用も安い工法です。

ウレタンメッシュ工法

均一になりにくい場所に施工する際に、補強材であるメッシュシートを敷いた上にウレタン防水材を塗布する工法もあります。
これは「密着メッシュ工法」とも呼ばれており、防水層に強度が増して、揺れに対してもひび割れが起きにくくになります。
ウレタン防水の間にメッシュ状のクロスをはさみ、ウレタン防水層を3mm厚で仕上げる工法は、国土交通省の公共建築工事標準仕様書に定められた「X-2工法」として、公共施設などにも施工されています。

密着工法の施工手順

清掃・ケレン作業・下地補修 高圧洗浄によって埃やカビなどを除去し、ケレン作業によって既存の下地の凹凸をなくして平らにする。防水層の上に重ね塗りする場合は古い防水層を取り除く。割れたり欠けたりしている下地を補修して埋める。
プライマー塗布 ウレタン防水材と下地との密着を高める
メッシュ工法の場合ここでウレタンを薄塗したメッシュを貼る
ウレタン防水1層目・2層目 しっかりと厚みをつける
トップコート塗布 トップコートを塗ることで防水層を紫外線から保護する

通気緩衝工法

ウレタン通気緩衝工法

通気緩衝工法は別名を絶縁工法とも呼びます。
密着工法は、下地に水分がある場合には膨れなどが起きてしまいますが、それを解消するために考案されたのがこの通気緩衝工法です。
密着工法のように下地に直にウレタン防水材を塗布するのではなく、下地に通気緩衝シートという小さな無数の穴が空いた通気性能のあるシートを敷いて、上からウレタンを塗布していきます。通気緩衝シートによって下地の影響を緩和し、揺れなどの動きを緩衝して吸収することで防水層の破断を防ぎ、そして下地からの水蒸気は脱気筒を設けることで外へと逃がすことができます。
そのため雨漏りを起こしているような建物や、コンクリートなど湿気を含む建物にも施工が可能です。
ウレタン防水層を3mm厚仕上げにした通気緩衝工法は、「X-1工法」として、公共施設にも施工されています。

通気緩衝工法の施工手順

清掃・ケレン作業・下地補修
高圧洗浄によって埃やカビなどを除去し、ケレン作業によって既存の下地の凹凸をなくして平らにする。防水層の上に重ね塗りする場合は古い防水層を取り除く。割れたり欠けたりしている下地を補修して埋める。
プライマー塗布 下地に通気緩衝シートの密着を高める
通気緩衝シートを貼る
ジョイントテープ貼り、脱気筒設置 通気緩衝シートのジョイント部にジョイントテープを貼り、脱気筒を設置する
メッシュの貼り付け 床や立ち上がり部分との境界に強化メッシュを貼る
ウレタン防水1層目・2層目 しっかりと厚みをつける
トップコート塗布 トップコートを塗ることで防水層を紫外線から保護する

ウレタン防水のおすすめの施工箇所

ウレタン防水はその柔軟性で色々な場所に施工可能ですが、工法によっておすすめの施工箇所は異なります。
密着工法:バルコニー、廊下、あまり広くない屋上
メッシュ工法:素材が変わる境目など地震による割れが心配な箇所
通気緩衝工法:ルーフバルコニー、雨漏りを起こしている屋上など

ウレタン防水のメンテナンスと補修のサイン

ウレタン防水は、表面のトップコートを定期的に塗り替える必要があります。期間は約5年ごとが理想です。
定期的に塗り替えを行うことで雨漏りを防ぐことができます。
下記のような症状は劣化のサインです。早めに専門業者に点検を依頼してください。

色褪せや荒れ

トップコートには様々な色がついていますが、この色が色褪せていたり、荒れたりしている場合には、トップコートの保護機能が劣化している可能性があります。放置していると劣化が進行して保護機能が失われ、割れやヒビが発生してしまいます。早めにトップコートの再塗装を行ってください。

表面のひびわれ

表面のトップコートそのものには防水機能はなく、トップコートは下の防水材を保護する保護材です。すぐに雨漏りする心配はありませんが、ウレタン防水材は紫外線に弱いため、防水層が露出する前にトップコートの塗り替えが必要です。

塗装の浮きやふくれ

塗装の浮きやふくれ

防水層が膨れてきた、浮いてきたという場合には下地が水分を含んでいる、つまり雨漏りが発生している可能性があります。
この場合防水層を調査してどのくらいダメージがあるか、また建物も調査して雨漏りがでていないか調べ、必要な補修を行います。
浮きや膨れを起こしている防水層は破れる恐れがあるため、範囲によっては部分補修もしくは全体的な補修が必要になります。

防水層のひび割れ

地震や経年劣化による亀裂やひび割れが防水層に達している場合には、放置するとその隙間から雨水が入り込んで下地を腐食する可能性があるため、防水層を再構築する必要があります。ウレタン防水を再塗装して補修します。

雑草が生えている

雑草が生えているということはそこに水分や土があり、排水がうまくいっていない可能性があります。植物の根は強く、防水層まで破壊する可能性もあるため、早めに点検を依頼してください。無理に抜いてしまうと、防水層まで根が達していた場合には防水層を破損したり、抜いた後に穴ができてしまいそこから水が入り込んで雨漏りを起こす可能性もあります。無理に抜かずに業者に点検を依頼して適切な駆除を行うのが安心です。

雨漏りが発生している

防水層の劣化が進行して雨漏りが起こってしまった場合には、放置すると二次被害が発生する恐れや、建物そのものの耐久性が衰えてしまいます。防水層そのものにダメージがなくても、真下の室内や軒天に雨漏りが発生しているケースもあります。早急に点検と調査を依頼して雨漏りの原因を解消して補修を行いましょう。
雨漏りが発生した建物には、水分を内部に含んでいる可能性があるため、軽微であっても通気緩衝工法で水分を逃がすような処置をとりましょう。

雨漏りの二次被害について詳しくは「雨漏りを放置していませんか?恐ろしい二次被害について」をご覧ください。

ウレタン防水工事は業者に依頼しよう

ウレタン防水はDIYでもできるかもと思われるかもしれませんが、基本的には専門の業者に依頼することをおすすめします。
ホームセンターで売っている市販品とプロが使用するものには性能も異なり、またしっかりとした下地処理がなければ施工不良にもつながってしまいます。他にも既存の防水層がある場合には新しい防水層との相性もあります。
せっかく施工したのに数年でだめになってしまい、結局専門業者に依頼することになったということもよくあるため、防水工事は経験のあるプロに依頼しましょう。

まとめ

比較的安価で密着率の高いウレタン防水。
ベランダや屋上など幅広い場所に施工可能ですが、下地の常態によって必要な施工方法も変わってきます。
家を雨漏りから守る防水工事ですが、しっかりとメンテナンスを行うことで耐久性を維持することができます。
また、定期的に排水口やその周辺を清掃することで、水捌けをよくして防水層を長持ちさせることもできるので、日頃から気にかけるようにしてみてください。
ウレタン防水の耐用年数は約10年程度ですが、耐用年数が来る前にプロに点検を依頼すると安心です。
防水工事は技術や経験がものをいう工事なので、しっかりと経験のある職人に点検やメンテナンスを依頼することで雨漏りを防ぐことができます。

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