天窓(トップライト)からの雨漏り
天窓(トップライト)は、家の中に自然光を取り入れられる魅力的な設備ですが、その一方で雨漏りが起きやすい箇所でもあります。
天窓の雨漏りは、コーキングや防水シートの劣化、板金の破損など、さまざまな要因が複雑に絡み合うため、原因の特定や修理には専門的な知識と経験が欠かせません。
こちらのページでは、天窓からの雨漏りの主な原因や見分け方、放置するリスク、修理方法と費用、実際の施工事例までを網羅的にご紹介します。
まずは原因を正しく理解して、安心・確実に雨漏りを直すための参考にしてください。
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天窓から雨漏りが起きる主な原因

天窓は雨漏りを起こしやすい箇所です。天窓の雨漏りの原因は、コーキングの劣化、枯れ葉やゴミの詰まり、防水シートの劣化、水切り板金の劣化など多岐にわたります。
下記は特に多く見られる天窓の雨漏りの原因です。

天窓の隙間を埋めるコーキング(シーリング)やパッキンの劣化

天窓周囲のルーフィング(防水シート)の劣化

天窓の排水部に落ち葉やゴミが詰まったことによる排水不良

天窓周辺の板金(水切り板金)の劣化

ガラスの破損やひび割れからの雨漏り

結露水がたまり、雨漏りと見間違えるケース
このように天窓から雨漏りを起こす原因は多く存在し、目視では原因特定が難しいものです。さらには複合的な原因で発生していることもあります。
雨漏り修理で最も大切なことは、雨漏り箇所の確実な特定です。
天窓の雨漏り修理の経験豊富な業者に依頼することで、確実に雨漏りが止まり、再発を防げます。

天窓からの雨漏りと結露の見分け方
天窓は室内外の温度差が大きく、結露が発生しやすい箇所です。そのため水滴が落下してきた際に、結露と雨漏りが見分けづらい箇所でもあります。
天窓周辺に結露水が溜まって、それが雨漏りと見間違えるケースも珍しくありません。以下は結露と雨漏りの見分け方です。
- 結露:外気温が低い時期に発生しやすく、日中に乾く。天窓ガラス内側に水滴がつく
- 雨漏り:雨天時や雨のあとに発生、乾きにくい。天窓枠や周囲の天井にシミが出る
見分けがつかないときは、「とりあえずは大丈夫かな?」と放置せずに、一度専門業者に相談するのがおすすめです。結露の場合でも、大量の結露は断熱材や内部の木材を傷める原因になります。また雨漏りだった場合には進行するとシロアリなどの二次被害が起こるリスクが高まってしまいます。
天窓からの雨漏りを放置するリスクとは?

天窓に限りませんが、雨漏りが発生して放置してしまうと、見た目以上に建物内部にダメージを与えてしまいます。以下は、雨漏りを放置する主なリスクです。
- 木材や下地の腐食による耐久性の低下
- カビの発生による健康被害
- 断熱材・内装材の劣化
- 湿気で木材が濡れることでシロアリが発生
- 感電・漏電のリスク
最初は小さなシミでも放置すれば被害が拡大して、その分修理費用も高額化してしまうため、早めの対応が大切です。
天窓からの雨漏りを修理する方法と修理費用の目安
天窓の雨漏りの修理方法は発生原因によって異なります。下記は原因ごとによる主な工事の例です。
パッキンの交換、コーキングの打ち直し
天窓廻りのパッキンやコーキングが経年劣化したことで雨漏りした場合、パッキンの交換やコーキングの打ち直しを行います。
修理費用の目安は、2万円〜10万円です。別途足場代がかかることもあります。
清掃
天窓の排水部に落ち葉やゴミが堆積することで、排水不良が起こり、雨漏りを起こすことがあります。このような場合は排水部を掃除して詰まりを取り除きます。定期的に清掃することで詰まりを予防できます。
ご自分で行うのは高所のため危険ですので、点検や清掃は専門業者に依頼してください。
天窓の清掃にかかる費用の目安は、3万円〜5万円ですが、別途足場代がかかることもあります。
防水シートの交換
屋根の下には防水シート(ルーフィン)が施工されており、雨が上から漏れても最終的に防ぐ仕組みになっています。しかし天窓周辺の防水シートが劣化している場合には一旦天窓と周辺の屋根材を撤去して交換を行います。
防水シートの交換の費用の目安は、8万円〜35万円です。
カバー工法、葺き替え
築20年以上経過している場合は、屋根全体の防水シートが劣化している可能性が高くなります。スレート屋根の場合は屋根材の寿命が約20~25年ですので、屋根全体のリフォームがおすすめです。このようば場合にはカバー工法や葺き替えが必要になります。屋根の面積や使用する屋根材などによって異なりますが、費用相場は80〜200万円です。
板金の交換・補修
天窓廻りの板金(水切り板金)やアルミエプロンが劣化して破損している場合には、板金の交換や補修を行います。
板金の交換・補修にかかる費用の目安は、10万円〜25万円です。
天窓の交換や撤去
天窓そのものが劣化している場合、天窓の交換や撤去を行います。天窓は雨漏りのリスクも高く、こまめなメンテナンスも必要ですので、屋根リフォームの際に撤去される方も珍しくありません。
天窓の交換や撤去にかかる費用の目安は、30万円〜です。
天窓からの雨漏り修理の代表的な施工事例
「天窓からの雨漏り」で特に参考になる事例を厳選してご紹介します。

愛知県春日井市|天窓のエプロンと棟板金の補修で雨漏り解消
天窓下のアルミエプロン破損と棟板金の一部外れが原因で雨漏りが発生していました。ご予算に合わせて、天窓破損部へ板金を被せ、棟板金はコーキング+板金で補修しました。

京都市伏見区|錆びた天窓をポリカカバーで補修
天窓ジョイント部の板金が錆びて継ぎ目から雨漏りが発生。工期短縮のご希望とご予算に合わせて、錆を除去した上で、ガラスの上にポリカーボネートをかぶせるカバー工法で対応しました。
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東京都調布市|不要な天窓を撤去し立平葺きに葺き替え
増築の際に屋根の勾配が適切にとれておらず水が滞留して雨漏りが発生。不要な天窓を撤去し、立平葺きで葺き替える根本的な修理を行いました。
天窓からの雨漏りはDIYできる?
DIYが難しい理由とは?
天窓からの雨漏りを発見した時に、「修理費用を抑えたいし、もしかしたらDIYでなんとかなりそうかな?」と思われるかもしれません。しかし、天窓の雨漏り修理は一見簡単そうに見えても、正しく補修するには専門的な知識と技術が必要とされる作業です。
もしも「なんとなくここだろう」と、誤った場所に屋外や室内からコーキングを打ってしまうと、見た目は止まったように見えても別の場所に雨が入り込んでしまうことは珍しくありません。
時には雨漏りが悪化してしまうこともあるため、確実に止めるには、建物や雨漏りに関する深い経験と知識が必要です。
さらに、屋根の上は高所で足場が不安定なため、転落の危険が常につきまといます。
防水層の下で起きている腐食や劣化など、外からは見えない部分の状態を正確に判断するのも難しいため、DIYでの修理はプロに頼むのが安心で確実です。
天窓からの雨漏りを発見した時はどうすればいいの?応急処置と業者選びについて
まずは応急処置を!

天窓からの雨漏りを発見した時には、まずは応急処置を行いましょう。
雨だれが上から垂れてくる場合は、ブルーシートやレジャーシートの上にバケツを置いて水を受けます。バケツの中に雑巾を入れておくと水はねを防げます。
もしも室内から天窓に手が届くようであれば、水が漏れている箇所に、防水テープや吸水シートを張ることで応急処置が行えます。
屋根に上がって天窓の様子を確認するのはとても危険なのでおすすめできません。安全のために、室内からできる分にとどめておきましょう。
応急処置の後は、なるべく早めに専門業者に相談を
応急処置が終わったら、なるべく早めに雨漏り修理の専門業者に調査と修理を依頼してください。応急処置はあくまでも一時的な処理ですので、放っておくと雨漏りは内部で進行してしまいます。
雨漏り修理業者は、確実な調査と、適切な工事を提案してくれる経験豊富な業者を選びましょう。
特にガルバリウム鋼板など板金屋根の場合は、板金廻りの施工がとても重要になります。板金の技術が高い、天窓の雨漏り修理の実績がある業者に依頼するといいでしょう。
雨漏り修理の達人では実績のある優れた雨漏り修理の達人をご紹介しています。

天窓から雨漏りしないようにするには?予防のポイントと注意点
天窓は採光や通気を高める優れた設備ですが、屋根に開口部を設ける構造上、防水処理や経年劣化への対策を怠ると雨漏りのリスクが高まります。
定期的な点検とメンテナンス
天窓からの雨漏りを防ぐためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。シーリングやパッキンは紫外線や温度変化で劣化しやすいため、5~10年を目安に専門業者に依頼してチェックを行いましょう。
さらに、天窓まわりに落ち葉や汚れがたまりやすい環境では定期的な清掃を行い、水の滞留を防ぐことも効果的です。
専門業者による確実な設置
屋根勾配に合った天窓の選定や正しい施工も重要です。勾配が合っていないと排水不良を起こし、内部に水が侵入するおそれがあります。現在の天窓は技術が向上して防水性も高まっています。
特に金属屋根では専用の水切りがないため、現場で加工する必要があります。そのため天窓廻りの雨仕舞に優れた業者に依頼することが重要です。新築・リフォーム時には、雨仕舞いに詳しい屋根業者へ相談し、防水処理や納まりを適切に施工してもらうことが、雨漏りを未然に防ぐ最大のポイントです。
天窓の雨漏りに関するよくある質問
- 天窓の雨漏りはどこに相談すればよいですか?
屋根工事や板金工事を得意とする業者に相談するのがおすすめです。
外装リフォーム業者よりも屋根専門業者のほうが確実です。板金屋根の場合は、特に板金の加工を得意とする業者に依頼すると安心です。
雨漏りの実績があるかどうか、ホームページなどで確認しておくといいでしょう。参考記事:
リフォーム業者と屋根修理専門業者、雨漏り修理はどちらに依頼すべき
雨漏り修理業者を選ぶ注意点を雨漏り修理のプロが解説- 天窓を撤去したいのですが可能でしょうか?
はい、可能です。採光性は失われますが、雨漏りのリスクを根本からなくすことができます。
最新の天窓は雨漏りのリスクがかなり減っていますが、落ち葉の詰まりなどの点検は必要なので、天窓を撤去したり塞ぐなどの施工を行うことで、点検の手間や雨漏りリスクをなくせます。天窓を撤去した施工事例:
秦野市にて屋根改修工事・雨漏り修理〈天窓を塞いで雨漏り予防〉- 天窓の雨漏り修理に火災保険は使えますか?
もしも天窓からの雨漏りの直接の原因が、台風・強風など自然災害の場合は、火災保険の対象になることがあります。経年劣化による場合は対象とならないためご注意ください。
関連する雨漏りの症状
天窓からの雨漏りは、屋根や壁など他の部位と同時に起きることもあります。 下記ページもあわせて参考にしてください。
「天窓からの雨漏り」に関連する豆知識
Knowledge
こちらの関連豆知識もご参照ください。
「天窓からの雨漏り」に関連する施工実績
Works
こちらでは「天窓からの雨漏り」に関係する施工実績の実際の例をご紹介いたします。

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